アルミニウムの塊を高温で加熱し、圧延機を使って薄く広げる「圧延加工」。圧延機は複数のローラーが備わっており、アルミを繰り返し通すことで厚さを調整することができます。この工程によりアルミホイルや薄い板、シート等が作られ、飲料缶や自動車部品、建材など多種多様な製品に使用されています。
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【選定条件】
一般社団法人 日本アルミ協会の「圧延・押出部門(二次加工)」会員名簿に掲載されている32社を調査。
以下の条件で、圧延加工、熱間圧延加工のおすすめ会社を選定しています。
・MAアルミニウムの選定理由:今回調査した32社の中で圧延加工に対応している会社の内、最も加工の事例が多いアルミ加工会社として選出。
・神鋼アルミ線材の選定理由:今回調査した32社の中で熱間圧延加工に対応している会社の内、最も加工の事例が多いアルミ加工会社として選出。
(調査日:2024年4月18日)
引用元:MAアルミニウム公式HP
https://www.malco.co.jp/summary/sheet.html
MAアルミニウムは、アルミの圧延加工における高い技術力と豊富な加工実績を有している加工会社です。顧客が求めるニーズに合わせた提案を実施しており、フレキシブルな対応を得意としています。
圧延加工に関するノウハウも豊富で、さまざまな部品製造に対応しているのも特徴。食品・飲料の容器から建築材料まで、幅広いジャンルへの対応が可能です。
MAアルミニウムの圧延加工は、厚みのあるアルミ板から薄いアルミ箔まで対応しています。アルミ板・箔を使った部品が必要な際は、同社に相談してみるとよいでしょう。
また、MAアルミニウムは研究開発にも力を入れています。自社でアルミ合金や成形・加工技術にも積極的に取り組んでいるため、素材から相談することが可能です。
アルミ板を用いた飲料缶を製造
引用元:MAアルミニウム公式HP
https://www.malco.co.jp/summary/sheet.html
アルミ板を用いて飲料缶を手がけた事例です。アルミ缶は多数の加工会社が製造していますが、MAアルミニウムは薄肉・高品質な缶の製造を得意としています。また、同社は使用済み飲料用アルミ缶(UBC)を再生するリサイクル事業にも携わっており、粉砕から圧延加工までを手がけています。
このほか、MAアルミニウムはラジエーターなどの自動車熱交換器材や、印刷会社で使用する印刷版を手がけた実績もあります。
参照元:MAアルミニウム公式HP
https://www.malco.co.jp/summary/sheet.html
アルミ箔製品の加工事例
引用元:MAアルミニウム公式HP
https://www.malco.co.jp/summary/foil.html
アルミ箔を利用した製品の事例です。MAアルミニウムのアルミ箔は、幅広い分野での利用実績があり、リチウムイオン電池の膜や医薬品の包装材料などに用いられています。また、食品包装やアルミ箔容器の製造も手がけるなど、豊富な実績を有しています。
このほか、アルミ箔を用いた回路材や電線被覆など、産業分野の部品も製造が可能。顧客が求める部品の種類やニーズに合わせて柔軟に対応しています。
参照元:MAアルミニウム公式HP
https://www.malco.co.jp/summary/foil.html
| 会社名 | MAアルミニウム株式会社 |
|---|---|
| 本社所在地 | 静岡県裾野市平松85 |
| 電話番号 | 055-992-1211 |
| 公式HP | https://www.malco.co.jp/ |
引用元:神鋼アルミ線材公式HP
https://kobelco-al-wire.com/
神鋼アルミ線材は、国内で唯一ビレット圧延方式を採用している加工会社です(2024年5月16日調査時点)。同方式は、ビレットに均質化熱処理を施し、熱間圧延で線材へと加工する特徴があります。均質化熱処理により内部欠陥が減少するため、高品質なアルミ線材・棒材の製造を可能にしています。特に精度が求められる自動車や電気などの分野では、ビレット圧延方式が向いているでしょう。
参照元:神鋼アルミ線材公式HP
https://kobelco-al-wire.com/2-1
神鋼アルミ線材は受注生産方式を採用しており、顧客が求める部品の品質や用途に合わせてオーダーメイドで製造しています。線状・棒状部品の設計段階から相談できるほか、充実した設備を取り揃えているのが特徴。
幅広いサイズの部品の製造が可能で、アルミ合金の種類により、数ミリ単位から数センチ単位までフレキシブルに対応しています。
自動車・バイク用に
多様な部品を製造
引用元:神鋼アルミ線材公式HP
https://kobelco-al-wire.com/2-1
自動車・バイク分野でのアルミ部品製造事例です。神鋼アルミ線材のビレット圧延方式は、精度の高い部品設計を可能にしており、自動車・バイクなど精度が求められる分野で豊富な加工実績を有しています。
例えば、エンジンで使用するスパークプラグ端子やジェットニードルプラグ、カーエアコンの各種バルブなどを手がけています。いずれも精度と耐久性が求められるため、内部欠陥が少ないビレット圧延方式が適しています。
参照元:神鋼アルミ線材公式HP
https://kobelco-al-wire.com/2-1
一般用途向けの加工事例
引用元:神鋼アルミ線材公式HP
https://kobelco-al-wire.com/2-1
一般用途向けのアルミ部品・製品事例です。神鋼アルミ線材のビレット圧延方式は、自転車で使用するニップルやネジ・ボルト、ナットなどの製造にも適しています。耐久性が求められる衣料用のファスナーや溶接ワイヤーなどの製造にも用いられています。
また、アーマーロッドやコンプレッサー用部品、リブ端子の製造実績もあります。このほか、半導体製造装備の部品も製造するなど、電気・電力分野で豊富な実績を有しています。
参照元:神鋼アルミ線材公式HP
https://kobelco-al-wire.com/2-1
| 会社名 | 神鋼アルミ線材株式会社 |
|---|---|
| 本社所在地 | 大阪府堺市西区菱木2-2153-1 |
| 電話番号 | 072-271-1481 |
| 公式HP | https://kobelco-al-wire.com/ |
| 加工方法 | 部 品 |
|---|---|
|
箔、板など |
圧延とは、平行に設けられた一対のロールを回転させ、ロールとロールの間に直方体のスラブ(鋳塊)を通して薄く延ばす加工方法です。進行方向に長く延びていくスラブは次第に薄くなり、所定の厚さのアルミ板になります。
圧延加工によってつくられた板材をさらに薄く延ばしていき、できあがったものが箔。いわゆるアルミ箔です。特に薄いものは、2枚重ねて圧延されます。
押出加工と並んで重要な展伸加工法と言われています。
| 加工方法 | 部 品 |
|---|---|
|
裸線、撚線、 |
圧延加工は、スラブを加熱して加工する熱間圧延とコイルを室温で加工する冷間圧延に大きくわけられます。
熱間圧延は、通常約400℃以上の高温で実施。アルミを容易に薄く延ばすことが可能です。冷間圧延は、通常室温で行われる作業。熱間圧延の後に、薄板の仕上げとして加工を施します。
このような圧延作業を経て、薄い板材に加工されていくのです。
連続的かつ高速で金属鋼材を製造できる点がメリットです。圧延機を使って作業するようになったことで、以前よりも大幅に速く板材を製造できるようになりました。そのため大量生産も可能です。
高精度な板材の製造が可能な点も、メリットのひとつ。
圧延加工は、以前の手作業などと比較して、より精度の高い製品を製造できる加工法です。近年では、機械の細かな制御により、顧客の目的や課題に合った高精度な製品を提供できるようになっています。
機械を使って圧延することで良質な製品を大量生産できるようになった分、生産コストを安く抑えられる点もメリットと言えるでしょう。
たとえば、自動車部品など大量に製品が必要な場合。単純な形状であれば、圧延加工はほかの加工法よりも効率的な生産が可能なため、コストカットを実現できます。
アルミの圧延製品は、社会全体ではもちろん、家庭においてもさまざまな場面で利用されており、日常生活に欠かせないものになっています。
丈夫で軽いため、船舶や航空機、化学容器などに使われています。
住宅やビルの内装・外装、新幹線や地下鉄車両の構体、自動車のボディー外板に使われています。また、飲料缶や台所用品、家電製品など、身近なところでも多く見られるでしょう。
箔と聞いてすぐに思い浮かぶのは、家庭用ホイルではないでしょうか。ほか、包装容器やリチウムイオン電池集電体用など、幅広く活用されています。
圧延は、一対のロールを使って素材を薄く延ばしていく加工方法です。高精度な製品を実現でき、大量生産を可能にしました。圧延による加工を検討しているなら、高い技術を持った実績ある加工会社に依頼するのがおすすめです。自社に合った提案を行ってくれるでしょう。
本サイトでは、アルミの圧延をお考えの方向けに、圧延の実績が豊富な加工会社をご紹介しています。ぜひ、加工会社選びの参考にしてください。
既存製品の改良や新製品開発において、より高品質な素材を求めるメーカー担当者必見! 代表的な二次加工展伸材である「管材」「板材」「線材」それぞれの領域で高い技術や深い知見を持つメーカーを紹介します。※1
※1 当サイトでは、一般社団法人日本アルミ協会の「圧延・押出部門(二次加工)」会員名簿に掲載されている32社を二次加工のアルミ加工会社と定義している。
(2024年4月18日調査時点)
参照元:https://www.aluminum.or.jp/about/memberlist/
※2 参照元:一般社団法人 軽金属学会 小山田記念賞(第58回・第59回) 参照元:https://www.jilm.or.jp/page-recognition0221
※3 2024年5月16日編集チーム調査時点。